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和額の収納

掛軸屋.netの秋吉です。

梅雨時でまだ6月だというのに、ここ数日暑い日が続いています。
今年は全国的な節電ムードもあり、体調管理が難しいかと思います。
熱中症にも気をつけ、クールビズなどで上手に夏を乗り切っていきましょう。


先日、当工房に古い和額の修復のご依頼がありました。
その和額は神社などに奉納する狂俳(きょうはい:戯れやこっけいを主とする俳諧)が
100句ほど書かれていました。
算額奉納(額や絵馬に数学の問題や解法を記して神社や仏閣に奉納すること)は
有名ですが、狂俳奉納は初めて扱いました。

その額は大正5年に奉納されたもので、非常に傷んでいました。
作品の中央は大きく破れ、酸化が進み全体的に焦茶色に変色しています。
埃もかぶり、欠落による本紙の欠損部分もあり、作品自体がもろくなっています。
このような状態にあるものは、非常に神経をつかいます。

和額は掛軸と違い、収納することを前提にあまり作られていません。
傷んで飾れなくなったら、そのままの状態で放置されてしまうことが多くあります。
押入れや物置などの片隅に立てかけられ、何年もそのままの状態...
というご経験はありませんか?

これは額にとってよくない環境です。
今のような梅雨時や猛暑の際に傷みが一気に進みます。
湿気を含むとシミの原因になります。
またその部分にカビが生えたり、変色が進んだりします。
虫喰いなどもはじまります。
和紙や絹本の作品には、掛軸、屏風など表装全般、同じ事が起こりやすくなります。

今年は例年より雨の日が少なく感じます。
梅雨が明けたら晴れた日に押入れや物置をご覧になって、
和額や掛軸を広げてみてください。
大切な作品が傷んでいないとも限りません。
もし傷んでいましたら、お早めの修復をお薦めします。
ご用命いただければ、当工房で慎重にお直しし、専用箱に入れて納品いたします。
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http://www.kakejikuya.net/
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